君島大空
現代日本の音楽シーンにおいて、最注目アーティストのひとりである才人。
音楽好きでギターを趣味にしているごくごく凡人の筆者からすれば、ここまでの音楽的才能を見せつけられると憧れや嫉妬では済まない感情も芽生えてくるわけで…。
君島氏は2014年から活動している音楽家でギタリストとして活動を始めましたが、現在は素晴らしい楽曲を聴かせてくれるシンガーソングライターとして、オンリーワンな輝きを放っています。
中性的な印象の歌声とオリジナリティあふれる音楽性、そして聴き込むほどに凄まじさを感じる激うまなギタープレイ。基本的には静かな楽曲が多いですが、ところどころで弾きまくるギターの音(特にエレキでのソロプレイには類まれなるセンスが…)に反応してしまう人も多いのではないでしょうか。
今回は、まだまだ知らない人も多いであろう “君島大空” という若き天才アーティストの魅力に触れてみたいと思います!
君島大空とは(私見)
1995年生まれ。東京都出身の音楽家。
中性的な歌声が印象的で、楽曲の素晴らしさと並行して漂うどこかミステリアスな存在感からは、音楽ファンを惹きつけるただならぬオーラが漂っています。
2014年からギタリストとして活動。その後、多重録音で制作した音源をSoundCloudに公開し始めますが、作詞/作曲/編曲において類まれなる才能を発揮するばかりか、演奏面においてもかなり卓越したテクニックを聴くことができるので、ギタープレイが好きな方にもおすすめしたいアーティストですね。
透明感ある歌声や歌唱法には唯一無二のオリジナリティがあり、ここまで個性を感じるアーティストにはなかなか出会えません。ガラス細工のような繊細さや儚さ、心を奪われるような美しい楽曲も数多く存在しますが “他に類を見ない個性” もあるので、リスナー的には好き嫌いが割れるタイプなのかな?とも思います。
しかし、君島大空という才人の音を一度受け入れてしまえば、最高な音楽体験が待っているのと同時に、簡単には抜け出せない中毒性があるわけですね。
楽曲の良さ、アレンジの素晴らしさ、演奏面でのテクニカルかつエモーショナルなプレイ、ひとクセもふたクセもある歌唱法と歌声、そのどれもが心を捉えて離しません。
こんなにも素晴らしい音楽をリアルタイムで追えることが本当にうれしいです。
君島大空を知るための3曲
【19℃】
活動初期からライブで演奏していた人気曲。ささやくように言葉を重ねる歌声とメロディを聴いていると、永遠にこの音楽の中で揺られていたくなりますね。
短いながらもメロディアスでエモいギターソロが耳に残ります。
【向こう髪】
楽曲の良さはもちろんのこと、バッキングやソロで奏でるギタープレイが最高な1曲。君島大空の真骨頂とも言える素晴らしきガットギターのプレイをぜひご堪能あれ。ラストを飾るソロプレイにこの人の凄まじさを感じますね。
【都合】
これぞ君島大空!と言いたくなるような個性的な歌唱ですが、こんな曲を聴いたのは初めてだったし、頭に残って離れない歌メロやロックなエレキサウンド&プレイがめちゃくちゃカッコいい。この曲のラストでも異次元な弾きまくりソロプレイが堪能できます。
君島大空を好きになる3rd EP『袖の汀』(そでのみぎわ)
2021年4月リリース。SoundCloud上のみで聴くことができた代表作「向こう髪」、Eテレ NHKドキュメンタリー『no art, no life』のテーマ曲「星の降るひと」等、6曲を収録した3rd EP。
少ない曲数ながらも、君島大空という音楽家の世界観を知るには十二分に素晴らしい作品です。静かな楽曲が並びますが、聴いたあとに残る深い余韻や何回でもリピートしたくなる不思議な感覚には、言いようのない中毒性がありますよ。
収録曲
01.光暈(halo)
02.向こう髪
03.星の降るひと
04.きさらぎ
05.白い花
06.銃口
Pick Up Song【きさらぎ】
抑揚がなく物静かなボーカルが印象的で、夢の中を彷徨うような錯覚に包まれる楽曲。
穏やかな時間が続きますが、中盤でエレキの音色が雄叫びをあげると、ちょっと様子が変わりますね。並々ならぬテクニックと常人を超えた感性がなければこんなギターソロは思いつかないし弾けない…と思います。
このプレイには何度聴いても胸が熱くなってしまいます。最高。
待ちに待ったファーストフルアルバム『映帶する煙』
じわりじわりと知名度を上げながらファン層を拡大している最中に発売された今作。すでに披露されている楽曲をはじめ、新たに書き下ろした全12曲によって構成されたこのアルバムは、早くも2023年のベストアルバムに名を連ねたといっても過言ではない仕上がりで、名盤と呼ぶべき作品を届けてくれました。
無機質なSEが入口となる1曲目を過ぎると、一気に幻想的な音世界の住人に。
アルバムを通して生音と電子音が絶妙なバランスで同居していて、とにもかくにも心地のいい音楽に身を委ねることができます。もはや “君島大空というジャンルを確立した” と言っても過言ではないほどの唯一無二の音楽を堪能できますね。
ただ楽曲がいいだけではなく、美しさの中に織り込んでくるノイジーな音使いや時折魅せるテクニカルでエモーショナルなギタープレイを聴いていると、プレイヤーとしてのレベルの高さやアレンジャーとしての類まれなるセンスを感じます。
シンガーソングライターとして、ギタリストとして、そして真のオリジナリティを持った音楽家として、本当に素晴らしいアーティストですね。
一人でも多くの音楽ファンに触れてみてほしい世界がこの作品にはあります。
ぜひ聴いてみてくださいね。
収録曲
01. 映帶する煙
02. 扉の夏
03. 装置
04. 世界はここで回るよ
05. 19℃
06. 都合
07. ぬい
08. 回転扉の内側は春?
09. エル
10. 光
11. 遺
12. No heavenly
あとがき
近頃、日本の音楽シーンってかなり熱いなと思うわけで…。
いろいろと聴いている中でも、特に君島氏や当ブログでも少し前に取り上げさせてもらったVaundyは本当に大好きで、凄い時代が来たもんだと幸福感が満ちていますね。
NO MUSIC, NO LIFE.
タワレコのキャッチコピーをお借りして言っちゃいましたが、そんな生活をしているからこそ、こうした若手の存在が堪らなく愛おしくもあるわけで。
音楽のチカラってやっぱり凄いんだよなぁ。
https://triggerbrook.com/yorushika-jpop/