フジファブリックを知った当時のことを思い出すと、最初は特に印象に残らなかった。
数年が経ち、改めて聴き直してみたことを振りかえると、カラダに電撃が走った。
音楽の好みは聴いたタイミングでもかなり変わってくるものだ。
そして、一度でも気に入った音楽を僕はとことん追いかける。
このバンドは僕の中で殿堂入りを果たし、これからもずっと聴き続ける最高なバンドの一つになった。
バンドの核であった志村正彦氏はもういない。
この現実はいつまで経っても受け入れ難いが、フジファブリックというバンドは続いてる。
今回はあまり聴いたことがない人のために、邦楽ロックの最高峰『フジファブリック』を紹介したい。
フジファブリックを知る15曲
01:陽炎
1stアルバム「フジファブリック」収録
フジファブリックにハマるきっかけになった曲。哀愁漂うメロディと、感情が溢れ出すかのごとく炸裂するギターソロは何度聴いても素晴らしい。このバンドを代表する名曲の一つ。
02:Surfer King
3rdアルバム「TEENAGER」収録
ひと癖もふた癖もあるメロディが印象的な楽曲ながら「メメメメ、メイキーーーーン!!!!」から始まるノリノリな展開が最高。カラダが勝手に踊り出してしまう一曲。
03:Green Bird
9thアルバム「STAND!!」収録
子気味いいオーケストレーションから始まり、サビでは山内総一郎のファルセットと美しいメロディが際立つ一曲。
04:ECHO
6thアルバム「STAR」収録
楽曲の良さは言わずもがな、僕がこの曲に感じるハイライトは何と言っても中盤と後半に舞い降りるギターソロにある。
エモーショナルなプレイとサウンドには涙腺さえも刺激するパワーがみなぎっている。
こういうギターが弾けるようになりたいとつくづく思っている。
05:追ってけ 追ってけ
1stフルアルバム「フジファブリック」/2ndミニアルバム「アラモード」収録
万人受けはしないであろう古風で奇天烈なメロディが印象深い。バンドの演奏には不思議な心地良さがあり、異世界へトリップしてしまうような感覚に。ベースラインが気持ち良く、かなりクセになるね、これは。
06:STAR
6thアルバム「STAR」収録
爽快なギターロック。オープニングからテンション上がりまくりで一瞬で音の渦に飲み込まれていく。
バンドの演奏も最高潮で文句なしにカッコイイ。ライブは未体験だが、この曲が始まったら拳を突き上げて飛び跳ねてしまうだろう。
07:虹
2ndアルバム「FAB FOX」収録
これはね、もう、フジファブリックにしか作り出せない曲だと思っている。演奏が達者で趣味の合う音楽好きが集まれば、こんな虹色のポップワールドが出来上がるんだな。素敵。
08:花
1stアルバム「フジファブリック」収録
アコースティック・ギターによる弾き語り曲。シンプルなサウンドと歌、そして優しく爪弾くギターの音色。
フジファブリックには珍しいスタイルの曲だが、改めて志村氏の存在の大きさを感じる名曲。
09:笑ってサヨナラ
2ndミニアルバム「アラモード」収録
メジャーデビュー前にしてこんな曲を書いていた志村氏の才能はやはり凄い。既にベテランの風格が漂っているし、まごうことなき名曲。
すげーいい。泣ける。
10:サボテンレコード
1stアルバム「フジファブリック」収録
最初は何とも思わないヘンテコな曲だった。でも聴けば聴くほどに大好きになった曲。特にエンディングへと向かうギターソロのカッコ良さには、総一郎氏のセンスとテクニックが光っている。
11:Sugar!!
4thアルバム「CHRONICLE」収録
フジファブリックらしい音使いが気持ちいいポップソング。走り出したくなるような楽しさの中に、どこか哀愁が漂ってるんだよなぁ。
12:Chocolate Panic
3rdアルバム「TEENAGER」収録
ノスタルジックなコード進行とサビからのビートルライクな展開が微笑ましい、遊び心が満載な曲。
13:Water Lily Flower
3rdミニアルバム「FAB FIVE」収録
浮遊感に包まれるバンドアンサンブルの素晴らしさに、このバンドの底知れぬ才能を感じずにはいられない。
儚くも美しい音の渦が、耳にこびりついて離れない。
14:ブルー
8thアルバム「LIFE」収録
しっとりと静かなピアノ伴奏からはじまるミディアムソング。サビが近づくにつれセンチメンタルが上昇していく。
変化球や魔球が多いバンドだが、この曲は真っ直ぐ投げ込むストレート。
そして、とても美しい。
15:若者のすべて
3rdアルバム「TEENAGER」収録
名曲。必聴。それだけ。
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フジファブリックの一枚
1stアルバム『フジファブリック』
どのアルバムにも名曲が含まれているしこれが一番なんて決められるものではないが、強いて選ぶならやはりこれだろう。
メジャーデビュー作であり邦楽ロックの金字塔とも言える今作のインパクトは凄まじかった。
日本語ロックを聴くなら避けては通れないし、アタマから離れない音と言葉が溢れてる。
これぞ必聴!名盤中の名盤。
収録曲
01:桜の季節
02:TAIFU
03:陽炎
04:追ってけ 追ってけ
05:打上げ花火
06:TOKYO MIDNIGHT
07:花
08:サボテンレコード
09:赤黄色の金木犀
10:夜汽車
フジファブリックを楽しむ本
音楽だけではなく、活字でも楽しめた本の一部を紹介したい。
東京、音楽、ロックンロール 完全版
メジャーデビュー以降5年間の日記+インタビューという構成だが、ミュージシャンの日常や志村氏の人間性がよく分かって泣けてくる。
これは他人の日常をただ覗き見る本ではない。
このバンドが好きで、志村正彦という人間が少しでも気になったならマストバイと言える一冊。
フジファブリック 山内総一郎
愛すべきギタリスト、山内総一郎の魅力に迫る素晴らしい一冊。僕はこの人のギタープレイが本当に好きで宝物としてこの本を所有している。
「私的名盤30選」「シグネイチャーモデルの全貌」「機材コレクション」「対談」「奏法分析」などファンならば堪らない内容だ。
バンドスコア
メジャー6枚目までの作品はすべてバンドスコアが出ているフジファブリック。中には入手が困難なスコアもあるが、このバンドが好きで、かつ楽器をやる人ならどのパートであっても楽しめるのではないだろうか。
個人的にはこのバンドの演奏は非常に難しいと思っている。個々の練習であればなんとかなっても、バンドでコピーをするのはなかなかハードルが高そう(ちなみにバンドでは演ったことはない)。
少なくともギターに関して言えるのは、耳で聴くよりずっと難しいプレイをやっているし、聴いても演奏しても楽しめる最高なロックバンドだと思う。
あとがき
本当にいいバンドだと思う。
流行りの音楽はたとえハマっても一瞬のことですぐ飽きるけど、フジファブリックみたいにずっと聴き続けられる音楽との出会いは意外と少ない。
趣味嗜好はそれぞれにあれ、少なくとも僕にとっては最高な出会いになったバンドだ。
フジファブリックを知らない人が、聴くきっかけになることを願いたい。
https://triggerbrook.com/hogaku-100songs/