日本のメロコアは熱い。
メロディック・ハードコア(略称メロコア)とは、ざっくりと言えばパンクロックにメロディアスな要素を加えた音楽になります。特徴としてはギターのメロディに重点を置いているところやテンポの速さがありますね。
この手のジャンルは海外勢にも素晴らしいバンドがたくさんいますが、私的には日本勢のバンドの方がハマる。日本人とは言え英語詞で歌うバンドが非常に多いジャンル(というより聴いているバンドはほぼ英語)ですが、歌の旋律やギタープレイが自分の好みに合っているのでしょう。
攻撃的なプレイながらもメロディを大切にした音楽性には、心に響いていてくるものが多分に含まれています。
ここでは、そんなメロコア系の邦バンドの中から、選りすぐりの10枚のアルバムを紹介します!
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Ken Yokoyama 『The Cost Of My Freedom』
Hi-STANDARDの活動休止から数年後、Ken Yokoyamaとしてソロ活動を開始。1stアルバムとなった今作の輝きはいつまでも変わらない。この手のジャンルのアルバムがオリコン初登場8位になったことからも、当時の人気と注目度の高さがよくわかる。
意外にも?アコースティックナンバーで幕を開けるがこれがいい。短いながらもワウを効かせたギターソロがこれまたいい。ツボを突いてくるギタープレイは流石の一言で、ソロ1発目の挨拶代わりにバッチリな曲だった。
以降はもう完全に横山健ワールドが炸裂し、アコースティックサウンドも織り交ぜながら芯の通った音楽性と突き抜けるメロディ、そして素晴らしいギタープレイで楽しませてくれる。
中でもハイライトはやはり『Believer』か。すべての音楽ファンに聴いてほしい名曲だ。
日本のメロコアを牽引する男の産声が、ずっと頭の中で鳴っている。
SNAIL RAMP 『GRAVITY』
邦楽スカパンク、メロコア勢の中でもかなり聴いてきた1枚。飽きることなど無縁の作品で、この完成度の高さには素晴らしいという言葉しか出てこない。
言ってしまえば全曲が好きでスネイルランプの作品中、私的に頭2つは抜き出ている。
シングル曲『ALMIGHTY FIVE MONKEYS』に始まり、ポップで疾走感あふれる『One night survivor』ではセンス抜群なギターソロを披露、『Good for nothing』『HOTARU NO HIKARI featuring AIR』など聴きどころ満載のパワフルな一枚だ。
聴くたびにテンション上がりまくりの心が弾む名盤。これぞ音楽!
HUSKING BEE 『FOUR COLOR PROBLEM』
3ピースだったバンドに4人目のメンバーを迎え入れて完成させた会心の一撃。
メロコアならではの疾走感の中、ここまで哀愁を感じさせるバンドはそうそうない。英語詞のイメージが根強いバンドだが、日本語詞の歌では言葉がスッと入ってくるだけに、胸の奥底まで音楽が浸透してくる。
1曲目『♯4』でいきなり心を奪われ、日本語で歌う『欠けボタンの浜』『海の原』では感動的な音楽にひたすら浸る。シングル曲『THE SUN AND THE MOON』の切なさこぼれるメロディなんて、名曲以外の何ものでもないマスターピースだと思う。
ハスキンならではのドラマティックでメロディアスな楽曲の数々に捨て曲は見当たらず、例えばメロコアを聴かない人たちにもぜひ聴いてもらいたい音楽だ。名盤。
ASPARAGUS 『KAPPA I』
元CAPTAIN HEDGE HOGのギター・ボーカルだった渡邊忍を中心に結成したバンドの2ndアルバム。(レーベルを分けて『KAPPAⅡ』も同時リリースしている)
ほぼすべての楽曲の作詞作曲を担当している渡邊忍のソングライティング力は素晴らしく、類まれなる才能を持ったメロディ・メイカーだと思っている。
耳馴染みがいい甘い歌声、突き抜けるメロディ、バンドアレンジの素晴らしさ。
疾走するナンバーから心地良いアコースティック曲まで、バラエティに富んだ内容で飽きさせず、むしろ病みつきになること必至な快作だ。
ちなみに『KAPPA Ⅱ』も最高なアルバムなので、是非とも聴いてみてほしい。
Hi-STANDARD 『GROWING UP』
メロコア系やパンクを聴く上でHi-STANDARD(略称ハイスタ)の名を知らない人はいないと思うが、作品に関して言えば後で紹介する『MAKING THE ROAD』しか聴いたことがない人って意外に多いのではないだろうか。
仮にそうであれば本当にもったいない。そもそもハイスタに駄作など皆無だが、例えばメジャー・デビュー・アルバムになった今作のクオリティだってかなり素晴らしいものがある。サウンドに少々粗削りな印象は受けるが、そんなことはどうでもよくなるくらい曲の良さが際立っている。カッコいいギタープレイがある。泣けてくる歌だってある。
私的な話で恐縮だが、ハイスタ作品の中では一番これが好き。
メロコアを聴くなら、絶対に欠かせないアルバムだと思っている。
dustbox 『Blooming Harvest』
同郷出身の上、鳴らしている音もメロディもクソカッコイイんだから、そりゃ応援したくなるよね。メロコアファンの間では知れたバンドだと思うが、一般的な認知度で言えば決して高くはないのかな…??。
メロコア系の音楽って、どのバンドを聴いても似ているところがあって一本調子だったりするけど、要所要所でメタルよりなプレイを聴かせてくれるdustboxの楽しさは、私的にツボに入るところが多い。
たとえばこのアルバムで言えば『S×O×P』なんてメロディアスなメタルバンドの曲として聴いた方が自然かな?と思うほど毛色が違う。ギターソロだって熱いしね。
メタル好きにもおすすめな、究極にメロディアスなバンドの音を是非。
HAWAIIAN6 『BEGINNINGS』
切ないメロディが全編を埋めつくし、夏空の下よりも木枯らしが吹く季節に聴きたくなるような、心を震わす最高な2作目。
ジャンルで言えばメロコアということになるであろうが、他のバンドと一線を画しているのは圧倒的に “陰” な音にある。ボーカルしかり、コード使いしかり、メロディラインにもの悲しさを感じる人は多いと思う。もちろんこれに悪い意味は微塵も含んでおらず、この独創的な音楽性にこそ中毒性が潜んでいるのかも知れない。
『A CROSS OF SADNESS』『RAINBOW, RAINBOW』『I BELIEVE』をはじめ、本当にいい曲だらけ。聴き込むほどに好きになるスルメ盤だ。
HAWAIIAN6を聴くならまずはこれでしょ。
locofrank 『Signs』
聴いていて気持ち良すぎる5枚目のフルアルバム。このクオリティの高さには参った。
メロディアスでスピード感ある楽曲を中心に、カバー曲からバラードまでを詰め込んだ素敵な音楽があふれている。このバンドの好きなところって、バンド演奏のカッコ良さや曲の良さは当然のこととして、何より歌心あるボーカルの歌唱にある。ホントいい声してるし、上手いよなぁ。
オープニング『STARLIGHT』でいきなり名曲を披露。オリビア・ニュートン・ジョンのカバー曲『Have You Never Been Mellow』で魅せるカッコ良すぎるアレンジも最高。ラストを飾る『PROMISE』のようなガチのバラード曲だって本当に素晴らしい歌だと思う。
それにしてもハイライトが多すぎるな、これは。 多くの人の耳に届いて欲しい名盤だ。
CAPTAIN HEDGE HOG 『DOLPHIN』
順番は前後するが、先に紹介したバンド「ASPARAGUS」以前に渡邊忍(vo,g)が活動していたバンドの最高傑作と呼びたいアルバムがこれ。珠玉のメロディを散りばめた渾身の作品で、メロディアスでエモい楽曲を聴いているとテンション上がるよね、やっぱり。
2曲目『EXTRA』で早々に心を鷲づかみにされたら、この作品から沸き立つ「キラめくメロディ」にどっぷりと浸かることになる。ASPARAGUSの紹介でも触れたが、渡邊忍のソングライティングにはキャッチーな旋律があふれているから、聴いていて本当に気持ちがいい。
普段メロコアを聴かなくても、メロディ重視の音楽ファンならきっと反応してしまう楽曲に出会えると思う。
Hi-STANDARD 『MAKING THE ROAD』
国内外でトータル100万枚以上のセールスを記録した、邦メロコアバンドの代名詞的アルバム。ハイスタどうこうよりも、メロコアを聴くなら絶対に聴いておきたい金字塔的な作品。老若男女も時代も関係なく、これからもずっと多くの人の耳に届くことかと思う。
ハイスタのアンセムとして有名な『STAY GOLD』、ブラックサバスのカバー曲『CHANGES』、哀愁感がたまらない『BRAND NEW SUNSET』あたりが特に好きだが、アルバム全体が絶妙なバランスで構成され、至高の作品へと昇華している。
日本が誇る最高な3ピースバンドの、歴史に残る大名盤。
まとめ
●ken yokoyama 『The Cost Of My Freedom』
●SNAIL RAMP 『GRAVITY』
●HUSKING BEE 『FOUR COLOR PROBLEM』
●ASPARAGUS 『KAPPA I』
●Hi-STANDARD 『GROWING UP』
●dustbox 『Blooming Harvest』
●HAWAIIAN6 『BEGINNINGS』
●locofrank 『Signs』
●CAPTAIN HEDGE HOG 『DOLPHIN』
●Hi-STANDARD 『MAKING THE ROAD』
以上、日本のメロコアバンドから選んだ、最高にカッコいい10枚のアルバムでした。
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