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【月とキャベツ】山崎まさよし主演映画は90年代のかくれた名作ファンタジー。

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「月とキャベツ」

初めてこの作品を観たのはもう20年近くも前になります。

記憶の片隅に残る「たしか、いい映画だったよな~」という思いを確かめるべく、久しぶりに観てみました。

この映画の主演はミュージシャンの山崎まさよしなので、ファンの方であれば既に知っていることかと思います。 が! 実はファンでなくとも見る価値が大アリな、ファンタジー映画の名作なんですよね。

田舎風景を舞台に物語は淡々と進んで行きますが、山崎まさよしを代表する名曲『One more time,One more chance』が完成するまでのストーリーには、ピュアなラブストーリーが切々と描かれています。久しぶりに見返した感想は、

やっぱりいいな、この映画。

ということですね。心温まる不思議な魅力に包まれています。

純粋なラブストーリーが好きな方に特におすすめしたいこの作品。

ネタバレありになりますが、この映画の魅力をお伝えしたいと思います!

 

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概要

個性派ミュージシャン山崎まさよしが映画初主演した異色ラブ・ストーリー。バンドを解散し独立したとたん、歌が作れなくなったミュージシャン花火。

いまは、人里離れた田舎でキャベツ栽培に明け暮れていた。そんなある日、彼のもとにヒバナと名乗る少女が現われ、そのまま居ついてしまうのだった。ダンサー志望のヒバナは花火の曲で踊りたいと言い出す。

はじめは戸惑うばかりの花火だったが、いつしか天真爛漫なヒバナの存在に刺激を受け、ついに曲作りを再開するのだった。

(TSUTAYA「この作品のあらすじ・みどころ」より引用 )

監督篠原哲雄
脚本篠原哲雄、真柴あずき
製作国/公開日本/1996年12月21日
主な出演者山崎まさよし
真田麻垂美
鶴見辰吾
ダンカン
音楽山崎まさよし
主題歌『One more time, One more chance』

 

ストーリーと感想(ネタバレあり)

【登場人物】

花火(山崎まさよし)
伝説のバンド『ブレインズ』のボーカル。音楽から離れ、一人キャベツを育てながら田舎暮らしをしている。
ヒバナ(真田麻垂美)
花火の大ファン。創作ダンスを志す少女。
理人(鶴見辰吾)
花火の友人。カメラマン。
木村(ダンカン)
音楽プロデューサー。

 

はじまり

まずは、かつて売れっ子ミュージシャンだった花火(山崎まさよし)という存在の説明的なシーンから物語は始まります。花火の車から流れるラジオからは、伝説のバンド『ブレインズ』の曲が流れてくる。しかし、かつての成功に苛立った花火はラジオを切ってしまう。

直後に、友人でカメラマンの理人(鶴見辰吾)や音楽プロデューサーの木村(ダンカン)との絡みがありますが、音楽を作る気になれない花火の心境が如実に伝わってきます。

そして場面は変わり、止めている車の中でラジオを聴く花火。ふとサイドミラーを覗くと鏡にはダンスを踊る見知らぬ少女(ヒバナ/真田麻垂美)が映ります。ラジオを止め少女のダンスに合わせてハーモニカを吹く花火。その音に気付いたヒバナは踊ることをやめ花火に近付く。

邪魔をして悪かったと謝る花火に、ヒバナは乗ってきたバスに荷物や財布を置き忘れてしまったことを告げ、でも歩いて帰るから大丈夫だと話す。そして次のバスがやってくるのが見えた花火はヒバナにお金を渡し、「返さなくていい。あげるから」と車を走らせその場を去ります。

キチロー
キチロー
ここまでが映画の導入部分になります。この時点では「変わった少女だなぁ。」と思うくらいですね。ラストへの伏線はまだ見えません。

花火とヒバナ

夜、家に戻った花火がくつろいでいると「お金を返しにきた」とヒバナが突然訪れる。なんでこの家を知っているんだと苛立つ花火。花火は自分のファンだというヒバナを追い返そうとするが、庭に茣蓙を敷いて眠ろうとするヒバナ。仕方なく花火はヒバナを家に招き入れるわけですが…。

キチロー
キチロー
映画の中の花火に限ったことではなく、多くの人はここで思うでしょう。どうやってヒバナはここにたどり着いたの?? 素敵なラブストーリーが始まります。

 

ここからは、さすがに物語のすべてを書き記していくのはやめにして、印象的なところを紹介していきます。

・怪訝な花火とは対照的に天真爛漫なヒバナ。彼女の行動や発する言葉の一つ一つが、立ち止まった花火の心をだんだんと解き放っていく様が微笑ましい。

・一度は「帰れ!」と怒鳴ってしまう花火。しかし、結局は自転車に乗って追いかけていく。このあたりの素振りや会話から見える純心さに、この作品の良心が伝わってくる。

・記憶に残る食事シーン。食卓にあるのはキャベツステーキ(キャベツを茹でただけ)と生キャベツだけ。ナイフとフォーク、そしてマヨネーズを付けて食すだけなのに、なぜだかとっても魅力的。

キチロー
キチロー
このシーンに憧れてマネをしてみたんですが、これ、キャベツの一番美味しい食べ方かも。おすすめです!

・ピアノを弾きながら曲を作り上げていく過程は、山崎まさよしの日常を見ているようで楽しい。曲に合わせてダンスを練習するヒバナの姿もとても素敵。

・何度か流されるラジオからの台風情報、雨を怖がるヒバナ、優しく包み込む花火。楽しかった時間。作りかけの曲。2人を訪ねてきた理人から発せられる衝撃の事実。切ない。

 

ネタバレ~ラストシーン

真実を知った理人が、ヒバナの身に起こった悲劇を本人に伝えるシーンは、本来であれば残酷なものなことかも知れない。しかし、大ファンである花火の前に姿を現した少女の思いを、理人はとても優しい口調と表情でこう語りかけます。

「出来ることなら、ずっと花火の傍に居てほしい」

ヒバナは「夏休みはずっと続かないから」と答える。

 

ラスト付近の細かい描写やヒバナという存在が何だったのかは、実際に観てほしいと思うのでストレートに言葉で伝えるのはやめておきます。(充分ネタバレになってると思いますが…)

そして、ヒバナがいなくなるシーン。

これは涙なしでは語れません。

 

山崎まさよしの代表曲であり今作の主題歌『One more time,One more chance』

 

あとがき

ネタバレを見ずにこの作品を観たとして、結末に関しては割と早い段階で「もしかして…」と気づくことかと思います。それくらい節々での違和感があるし、ヒバナの透明感が様々な想像を掻き立てるんだと思う。

それにしても、出演者がここまで少ない作品ってなかなかない気がします。豪華なセットやCGなんてなくても立派な作品になるという意味では、この作品はかなり素晴らしいと思いますね。

セリフがあるシーンのほとんどは花火とヒバナで、それに次ぐ理人の存在が物語のつなぎ目と言うかキーマンとしてあるわけですが、あとは花火とヒバナを結びつける“音楽”の存在があるくらいで…。

この映画は最小限の布陣で、最大限かつ最高なラブストーリーが描かれているわけですね。

ふとしたときに見返したくなる、心に残る名作だと思います。

ほぼネタバレしちゃってますが、まだ観てない方は是非、このピュアで素敵なファンタジーの世界に触れてみてくださいね。

 

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